「仕事」の反対語は? 広辞苑の編集部にお邪魔してきました
追記あり:2019年4月9日/
仕事の対義語を知りたくて、言葉を扱う「広辞苑」の編集部へお邪魔してきました。
私「仕事」しながら、ふと「仕事の対義語ってなんだろう」と思いました。
「遊び?」「休暇?」「休み?」
グーグル先生に聞いても、ぼやーーとした回答しか探せず。
広辞苑の編集部ってきっと激務でしょう。
しかし、やりがいのあるお仕事ではあるはず。
広辞苑が10年ぶりに大改訂を行い、第7版を発売しました。
その編集部にお邪魔できるというので参加してきました。
背表紙(製本確認の行程)
・広辞苑とは
1955年の初版から60年余り。
古語から現代語まで収録されていているので、夏目漱石なども読めるようになっています。
ここが国語辞典と違うところで、広辞苑は言葉の歴史もうかがえます。
当然「言葉の変化」への対応も興味深いところですね。
例:姑息(こそく)
「卑怯なやつ」という意味合いで使うことが現代ですが、
漱石さん時代では「その場のがれ」という意味でつかっていたようです。
こうなると、小説を読んでいて意味が変わってしまいますね。
広辞苑は「国語」+「百科」辞典であり、専門用語も多いの特徴です。
・辞典と事典
私たちが税法を読むとき、「時」「とき」「場合」 や 「物」「者」「もの」を分けています。
「物」はぶつ 「者」はしゃ 「もの」はもの と読みます。
編集の方が 「ことばてん」「ことてん」とお話されていたのが、印象的でした
「ことばてん」は、辞典をさして言葉の意味を伝える方
「ことてん」は、事典をさして事柄をあつめる百科部分
・紙だから
WEB辞典と違って、紙であること。
製本で8センチが限界なので、新語を追加してもなお製本できるように
紙の技術の向上も加え、
とにかく文字数を減らすことをポイントにしているようでした。
私も本の製作の時は、編集の方と文字数内に納めるために、
文字を増やしたり、減らしたり頑張りました。
ゲラを見せていただいたのですが、
言葉を削っていたアカ(赤字)が印象的でした。
ちなみに広辞苑の作成方法は、
各分野ごとに項目を抽出し、専門家がチェック。
それを編集部でまとめ、内容と体裁の校正を行うようです。
※ためし製本
・「仕事」の反対語は?
沢山の言葉をあつかってらっしゃる中で、どの言葉を選ばれるか興味がありましたので、
帰り際、質問させていただきましたら、すこしお考えになり・・・
「暇」
と回答されました。
その心は
ビジネスという言葉は、Busi-ness ビジー(忙しい)から来ているとのこと。
「いとなみ」は、「いと な み」と分けて、いとま が ない と言葉の分析を加え
スペイン語のnegocios(ビジネス)の語源解説までつけていただきました。
仕事が忙しいのもきついし、暇もきつい。
あ~~だったら、仕事してお金いただくのが良いかな~(笑)
言葉のプロからは、このようなご返答を頂きました。
あくまで私の個人的な質問に付き合っていただいたので、その辺ご了承ください。
あなたにとっての「仕事」の反対語はなんでしょうか?
◆◇今日のつぶやき◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
第7版 広辞苑には「大人買い」が加わっています。
さて、「爆買い」と「まとめ買い」の違いは??
言葉が違えば、使う場面、意味も変わってくるんですね。
興味深い大人の社会科見学でした!