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個人事業主が事業をやめて海外へ引越しするときの確定申告

    
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個人事業主が事業をやめて海外へ引越しするときの確定申告

更新あり:2022年7月4日

個人事業主をしていた(確定申告を毎年している)方が、外国に移住するケースについてかいてみます。

 

・非居住者になる

所得税では、

「居住者」とは、国内に「住所」を有し、又は、現在まで引き続き1年以上「居所」を有する個人をいいます。
一方で、「居住者」以外の個人を「非居住者」と規定しています。

アメリカでは、国籍、グリーンカードの有無で「居住者」を決めたりしますが、
日本では「住所(生活する場所)」でその判定を行います。

また日本に住民票がある・なしではないです。
たとえ住民票が日本にあっても、パスポートのスタンプでどこで生活している?が判定されることもあります。

「居住者」は、全世界の所得を申告しますが、「非居住者」になると、国内源泉所得を申告することになります。

参考:国税庁ホームページ

非居住者等に対する課税のしくみ(平成29年分以降)

 

・出国までの確定申告

今回の前提は、「やっていた個人事業をやめて外国に移住」なので、
その後日本で収入が発生しないことになります。

非居住者の課税

 

つまり、出国し非居住者になると、その後日本での(国内源泉)所得がなければ申告する必要はないです。

個人事業者さんは、今まで翌年3/15までの確定申告をされていたと思うのですが、
出国する方は出国までに、1/1~出国までの所得を計算して、その確定申告書を出して出国することになります。

※出国までやることリストに「確定申告書をだす」を加えてください!!

 

・納税管理人について

確定申告を行い、納税なら支払、還付なら受取るのですが、、、
還付金って申告書を提出してすぐには行われないです。

銀行口座に入金されるまで、日本の預金口座を維持できればいいですが、
そうでないときは、納税管理人を選任することになります。

納税管理人とは、非居住者になったあとの確定申告書の提出、
税務署等からの書類の受け取り、税金の納付や還付金の受け取り等、納税義務を果たすためのものです。

 

【参考記事】 外国から確定申告!? 日本に残した留守宅の確定申告と納税管理人

外国から確定申告!? 日本に残した留守宅の確定申告と納税管理人

・税制改正「特定納税管理人」制度

令和3年税制改正により「特定納税管理人」制度が追加されました。

実際に納税管理人を定めて出国されればいいのですが、

それがないときに、所轄税務署長等は指定できることになりました。

時差もある中、海外にいる納税者と連絡するのは困難ですのでね、

やっとできた規定ではないでしょうか。

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sonota/0021012-116.pdf

 

・提出、届け出について

私その昔、アメリカに引っ越す時の事です。

申告書の提出は、いつも郵送なのですが、出国前ギリギリで提出するため、
返送されてくる申告書を受取れないな~と思って、
「出国の確定申告」をだす為に税務署に行って提出しました。

今は、e-taxもありますけどね(笑)

確定申告書には、余白に、 「平成○○年○月○日 出国」と書きます。

確定申告書の提出に加え、

廃業届 → 「個人事業の開業届出・廃業等届出書」
青色申告の取りやめ → 「所得税の青色申告の取りやめ届出書」

消費税の納税義務があった時は、消費税関係の書類も必要です。→「事業廃止届出書」

今回は、シンプルVerで書きました。
ここには書きませんでしたが、インターネットを通じて、日本にある拠点(実家とか)を介して
商品の仕入、販売を行っているなどは、その所得を日本に申告する義務が発生することもあります。
出国のケースは、このケースはこう、このときはこう、と複雑なので専門家へ聞かれる事をお勧めします。

◆◇今日のつぶやき◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
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