年末調整の電子化と現実
先日、国税庁ホームページに
「令和2年分 年末調整のしかた」と新様式が発表になりました。
平成30年度の税制改正より
今年は、「年末調整の電子化」をあちこち耳にしていたので
春から「傾向と対策」を追っていたのですが、
結果、多くは変わらない、ということになりそうです。
「多くは」と申しましたのは、
従業員数の多い企業さんが、本腰入れて導入できるレベルという印象です。
※出典 https://www.nta.go.jp/users/gensen/nenmatsu/pdf/0020005-071_01.pdf
上記の流れを実現するには、
従業員さんが、
「マイナポータル連携」を利用すれば、加入している保険のデータ等を年調ソフトに自動入力することができます。
マイナンバーカードを取得している前提で、マイナポータルとの連携も必要ですし、
年末調整ソフトとは、国税庁が無償提供するソフトウェアです。
無償のソフトウェアを操作してもらう必要がある。
そして、事前届け出が必要なこと。
従業員さんから、10月に電子化の提供を受けたいケースでは、8月中に届出を提出しておくわけで。
ん~ん。もう少し使えるようになるには、自由度が求められます。
ただ、この電子化の流れは進むでしょうし、
以前、政府税制調査会会長の中里実先生のご講義を聞いたのですが、
企業の年末調整の負担が大きいため、
アメリカのように、全国民が確定申告したらどうか?
(さすがにそれは、税理士泣かせなのでしないとのこと)
では、会社が契約している従業員の生命保険については、
会社が年末調整しているので、生命保険料控除に反映できないか等
効率したいよね?な、考えに基づいているので、
「やりたい事」は理解できるのですが、
令和2年分から年末調整の電子化を進めるには、
まだ少し助走がいるかな?という印象です。
しかしながら、用紙の記入、すごい複雑になりました。
用紙の記入だけではなく、所得税の計算もね、、ソフトがなければ無理そうですよ・・・
調整金額、多すぎる。