現金主義の特例 その経理について
更新あり:2019年7月23日/
個人事業主さんは、帳簿作成が義務付けられています。
その際は、発生主義によって所得計算をすることになっていますが、特例で現金主義も認められています。
・現金主義とは
上にもかきましたが、記帳の事務が負担などと考えられるので、一部の事業者さんには「現金主義」を認めています。
先に申しますと、認められるのは、小規模事業者の要件に該当する青色申告者のみでして、税務署に届出をすることになります。
現金主義とは・・・
現金の入金や支出の時に帳簿をつけることで、つまりは、お金の入金時に売上、支払時に費用を計上することになります。
所得税の計算では、1月1日から12月31日までの集計をするのですが、
発生主義という方法では、年の間は現金主義でも、決算と言うかたちで発生主義に調整していきます。
例:12月のお仕事→入金が翌年1月
発生主義
(借方:売掛金) 10,000円 / (貸方:売上高)10,000円
現金主義
入金してないので、仕訳ナシ
・現金主義の適用について
特例を受けられるのは、小規模事業者の要件に該当する青色申告者です。
小規模事業者というのは、以下になります。
小規模事業者とは、その年の前々年分の不動産所得の金額及び事業所得の金額(事業専従者給与(控除)の額を必要経費に算入しないで計算した金額)の合計額が300万円以下である方のことです。
所得が300万円以下というのは
※売上高 - 必要経費 = 「所得」 ←ここが300万円以下となります
あと、
- 青色申告になっていることと
- この特例を受けるための届出をだすこと
届出は、現金主義による所得計算の特例を受けることの届出書 を適用を受けようとする年の3月15日までに提出します。
国税庁サイト https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/23200010.htm
・所得の計算
総収入金額は、本年中に実際に入金した商品の売上代金や請負代金、家事用や事業用として本年中に消費した商品の販売価額などです。
反対に必要経費は、本年中に実際に支出した商品の仕入代金や販売費、管理費など事業の収入を得るために必要な費用などです。
ただ、減価償却費は計上いたします。
年末に棚卸をする必要はありません。
・注意点
決算書は、「現金主義用」というのが別にありますので、そちらをお使いくださいませ。
青色申告の特別控除額の65万円の控除は受けられません。
取りやめる時には、また届出 「現金主義による所得計算の特例を受けることの取りやめ届出書」を出すことになります。
◆◇今日のつぶやき◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
実務の場面では、この現金主義を受ける方は少ないです。
経理の負担が減りますが、65万円の特別控除が受けられないことも影響しているでしょう。