物件契約に関する仕訳 敷金、礼金、仲介手数料など
夏は不動産が動かない時期ではあるのですが、
今日は仕訳について書いてみます。
・地代家賃?賃借料?
まずは、「地代家賃」「賃借料」のどちらの勘定科目を使うのでしょうか?
結論は“どちらでもOK”です。
ただ、ある程度の区分けはあります。
→地代家賃
事務所や店舗、駐車場など家賃など、土地建物の賃借にかかるもの
→賃借料
土地建物以外の賃借にかかるもの。 例:レンタル料、レンタカー
所得税の青色申告決算書には、「地代家賃」がすでに印字されています。
以下、物件の賃借にかかわる話なので、「地代家賃」で記載します。
・契約時の仕訳
例:8月15日に事務所を契約。
礼金25万円と 敷金50万円、仲介手数料25万円のほか、家賃8、9月分を支払った。
借方 |
金額 |
貸方 |
金額 |
|
地代家賃 | 125,000 | 現金・預金 | 1,375,000 | 8月分家賃 |
地代家賃 | 250,000 | 9月分家賃 | ||
敷金or保証金 | 500,000 | 敷金 | ||
長期前払費用 | 250,000 | 礼金 | ||
支払手数料 | 250,000 | 仲介手数料 |
解説:
敷金、保証金、権利金のように、契約終了時に返金されるものは、「敷金」「保証金」など資産の部の科目で仕訳をします。
中には、“契約時に10%償却”などの契約もあります。
返金されない部分は、その時点でその金額を経費計上します。
礼金は、資産の部(税法上の繰延資産の扱い)に計上して、一定期間、経費にしていきます。
ただ、20万円未満であれば、支払時に全額を経費にすることができます。
その際は、「支払手数料」「地代家賃」などの科目でよいでしょう。
長期前払費用にした礼金は、
5年で償却します。ただ契約による賃借期間が5年未満では、その賃借期間で償却します。
不動産業者への仲介手数料の支払は、費用に計上します。
・退去時の仕訳
退去では、払いすぎの家賃の返還とか、敷金の返金、原状回復費用の差し引きなどが、
プラスマイナス(充当)されることが多いです。明細をよく見て仕訳しましょう。
例:すでに支払った家賃の返金10万円と、敷金50万円から、原状回復費用15万円が充当され、残金が普通預金に入金された。
借方 |
金額 |
貸方 |
金額 |
|
普通預金 | 450,000 | 地代家賃 | 100,000 | 返金家賃 |
修繕費 | 150,000 | 敷金or保証金 | 500,000 | 原状回復費用 敷金返金 |
・個人事業向け:個人負担分があるケース
「地代家賃」として計上している金額のうちに、プライベート部分が含まれているときは、経費計上からマイナスします。
例:家賃100,000円のを1年間地代家賃で計上した。(合計1,200,000円)
このうち、30%の360000円は、個人利用分である。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | |
事業主貸 | 360,000 | 地代家賃 | 360,000 | 個人分30% |
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軽く書くつもりが、がっつりな内容になりましたw