社会保険の加入強化 どのくらい負担になる?
会社ですと、すべての法人は社会保険の加入が義務なのですが、未加入事務所について加入を強化しています。都内では、一斉に通知が入っているようです。
・社会保険とは?
社会保険というと、厚生年金保険・健康保険をさします。法律では
・すべての法人(役員のみのときでも)
・個人事業でも、常時5人以上の従業員を雇用する(一部の事業は除く)
ときは、加入が義務となっています。
数年前より、加入強化の話が出てましたが、このたびの通知には、「加入しないときは、立入検査を行い、過去2年間さかのぼって加入させる」となっています。
・保険料の額とは?
なぜこのように未加入の事務所が多いのでしょうか。
それは保険料の負担が高額になりやすく、最悪なケースは倒産に近いほど資金繰りが苦しくなりやすく。。。
そんな保険料ですが、個人の給与から天引きする保険料に加え、ほぼ同額を会社が負担をし支払うことになります。
保険料の目安として
役員報酬が 月額 30万円 通勤費 月額 5千円 →305,000円 ※残業手当、通勤手当なども含めます。
役員の方であれば、毎月同額だろう・・・と言う前提で、この305,000円を、保険料額表「標準月額」にあてはめます。→標準報酬30万円
◆保険料 → https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat330/sb3150
平成28年3月分というのが、最新なのでみてみると、、
給与から天引きする額
・健康保険料(介護保険なし) 14,940円
・厚生年金保険 26,742円
合計 41,682円
会社が同額を負担するので、2倍の 83,364円+児童手当拠出金(0.15%)加算されて、支払うことになります。
仕訳例:
預り金 41,682円 / 普通預金 83,814円
法定福利費 42,132円
算定については、毎年9月に、4月から6月の報酬月額を基に、標準報酬月額の改定が行われます。
・役員報酬がゼロでは?
ひとり社長で仕事はしているけど、報酬をもらっていないという方のケースはどうなるでしょう。
このときは被保険者にはなれないので、加入義務がない事業者となります。しかし、「なぜ加入してないのだ?」ということで、未加入リストには載りつづけ、連絡が入ることになります。役員報酬がゼロの証拠(議事録、税務申告書の控え、源泉納付状況)など提示を要求されることが考えられるので、用意しておくといいでしょう。
・国民年金、国民健康保険は?
社会保険への加入をされた月以降は、国民健康保険、国民年金の保険料は発生しません。切り替えになります。
口座引き落としなどで、払ってしまった国民年金は、還付手続きの案内が数ヵ月後に来るようです。
しかし、国民健康保険は、切り替えが自動で行われないため、自分で脱退の手続きが必要です。自治体に確認いただくのがいいですが、郵送でもできようなので、二重払いにならないようにお忘れなく!!
・対策は?
加入は強制なので、未加入のところは入るように準備していくことになるでしょう。社会保険料を節約する方法というのもあるようですが、会社さんによっては該当しないね~ということもあります。
中には、個人事業になる(個人成り)という方法もあるでしょう。でも、法人と言う組織でメリットを受けている会社さんには意味がないですよね。
社会保険の加入強化で、個人事業へ戻る方からの相談は増えているのも確かです。
◆◇今日のつぶやき◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
改めて、九州地方の地震で被災されたみなさま、慎んでお見舞いを申し上げます。一日も早い復旧をお祈りしています。
義捐金、支援金、ふるさと納税などの支援をされる方、振込みを証明するものは保管しておくと確定申告で控除が受けられることがあります。支払う所得税等の一部が、直接支援にまわります。