アメリカの給与計算の仕組み グロスアップとは
内容確認済み:2019年4月14日/
昨年末アメリカの会計事務所より、グロスアップの依頼を受けました。
ワタシの個人的な感想ですが、アメリカの所得税の申告は理解しやすい割に、給与計算は複雑という印象があります。
学ぼうとして何度も挫折した「アメリカの給与計算の仕組み」について、少しご紹介します。
・アメリカの給与計算の仕組み
総支給額から、税金などを引くのは日本と同じです。
差し引くもの
・Fed Income Tax(連邦税)
・State Income Tax(州税)
・Local Income Tax(市税)
・Social Security Tax(社会保障)
・Medicare(医療保険)
・Disability(傷害保険)
・FUTA(失業保険)
引くものが多いですが、州によって控除金額に差があります。州税がないところもありますし。
日本のように、源泉所得税方式なので、給与の支払者にW-4というものを出して源泉徴収税額を申請します。
ただ、これも日本のように一筋縄ではいかず、アメリカでは給与の支払いが、月払い、隔週払いなど(どちらかというと隔週が多い)支払い方式が様々。
これに応じて、源泉徴収の表も用意されています。
日系企業では、日本人には月1支給で、現地スタッフには2週間おきという支払方法を採用していることも、少なくありません。
あ、給与所得控除額はありません。
・給与計算会社が行うもの
このように計算が複雑ですので、多くは給与計算会社に依頼することが多いです。「Payroll」で検索すると、たくさんの会社が出てきます。
以前、アメリカの会計事務所の仕事の柱は、「給与計算」「監査」「税務」と聞いたことがありますが、給与計算に占める負担の大きさがご理解いただけると思います。なので、アメリカ現地にスタッフを派遣するときなどは、この辺の費用も当たり前に予算に組み込む必要があります。
給与計算会社のサービスは、源泉所得税(連邦税&州税)の納税まで行ってくれるものもあります。もちろん、従業員の口座への支払も可能。パーソナルチェック(小切手)を活用する文化なので、小切手払いのときはその印刷もしてくれます。
アメリカの代表的な給与計算会社
・Paycheck
・ADP
・グロスアップとは
アメリカにも「年末調整」が存在します。 別名グロスアップ Grossup (正式英語じゃないようですが)といいます。
日系企業の駐在員などは、現地の社会保険料、税金、住宅などを会社が負担することが多いです。つまり支給する手取給与を保証する 「手取保障方式(ネットギャランティ)」 を採用している場合に、給与総額(年収)がいくらになるのか、セント単位で計算し直しする作業をします。
つまり、手取り給与計算を、年間で行う作業です。
実際は、エクセルを使うのですが、手取り額から総額を推測しながら入れていくと、国税や州税が計算されるようになっています。もちろんそのエクセルを作るのも大変です。税金計算には、夫婦合算申告とか単身申告とか税率テーブルが4つもあるでの・・・(^▽^;) 州によっても税率違うし。
アメリカだけではなく、外国に従業員を派遣するときには、グロスアッフ゜という考えが必要になりますので覚えておくといいかもしれません。
関連記事 “【英語版 源泉徴収票】翻訳したテンプレートを作りました”
◆◇今日のつぶやき◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
今年は、嘘かほんとかw アメリカの確定申告を手伝う予定があるので・・・ 対応できるように、知識入れておかないとな~あ