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納税管理人とは? 依頼する・引き受けるときの注意点

    
海外引越
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納税管理人とは? 依頼する・引き受けるときの注意点

内容確認済み:2019年4月13日/

出国税が導入され、納税猶予をうけるためには「納税管理人」の選任をすることになります。出国税は関係なくても、海外へ仕事などで長期間移住するときも「納税管理人」を決めようとするときのために、その説明です。

※画像は「海外引越」船便のイメージです。費用が容積ベースなので、安くなるように隙間にたくさんのものを詰めました。

納税管理人とは

非居住者の、日本の留守宅での賃料収入を申告したり、税金の支払いをするときに、自分の代わりになってその事務をしてくれる方のことを言います。

出国する年の確定申告についていうと、給与のほか、不動産所得がある方は、納税管理人を定め、その届出をしたのち出国すれば、出国時までの所得についての確定申告書の提出が省略できます。その後、納税管理人を通して、翌年2月16日から3月15日までに確定申告をすればよいことになっています。

納税管理人は誰がいいか

納税管理人は、確定申告書を作成・提出することのほか、納税に関することも行います。還付金があれば受け取りますし、税務署からの書類も受け取ります。

例えば貸付用の物件であれば、物件所在地を所轄する税務署管内に住所を有する方を選任するのが好ましいとされてはいます。ただ納税まで管理してもらうため、信頼できる親族や、会社、税理士に依頼するのがいいでしょう。(納税管理人は、法人でもなることができます)

ちなみに、「納税管理人」というくらいなので、納税をも代行するのですが、実際には出国者(納税者)さんののこした日本口座から入金・出金されている実務が多いようです。また弁護士さんは、お客様用に預かり口座をつくることが多いですが、税理士はお客様の資金を動かす・預かることに慣れていない気がしています。

届出の方法

納税管理人は、「出国の時までに」、出国者(納税者)さんの税務署長に提出するのが原則です。書類名は「所得税・消費税の納税管理人の届出書」といいます。

そんなこと知らないで&バタバタと出国することもあったりします(笑)その時は、その時点で出せばいいです(しょうがないので)

ただ、注意点として、「出国までに納税管理人を定めたときに、申告期限が伸びる」ということがありますので、出さないで出国するということは、申告期限が伸びないわけです。。。つまり、無申告や期限後申告によるペナルティを受けるケースがあるとのことです。

逆に出国前に依頼された側は、必ず出国までに提出しないと、申告期限が伸びることになりませんので、注意が必要です。「なんで延滞税かかっているんだよ~」となりかねないww

用紙は税務署にもありますし、国税庁のホームページにあります。

また海外から帰国した時や解任した時には、「所得税・消費税の納税管理人の解任届出書」を提出いたします。

出国者の納税地って?

日本をシュツゴクするので、基本、住民票をぬきますよね? その時の納税地はどこになるのでしょうか?

判定には順位があります(ちなみにこちらは所得税のケース、税目ごとに納税地の判定が必要です)

1、国内において事業を行う事業所があるとき → その事業所の所在地

2、1以外で、納税地とされていた住所などに親族などが引き続き居住するとき → その納税地とされていた場所

3、1.2以外で、国内にある不動産の貸し付けの収入を得るとき → その資産のある場所

4、従来の住所地、または1-3により納税地としていたけど、いずれにも該当しないことになったとき → その該当しないこととなった直前に納税地であった場所

5、1-5のいずれにも該当しないとき → 麹町税務署の管轄区域内の場所

たとえば、家族みんなで海外へ引っ越しし、住んでいた自宅を貸すようなケースですが、1.2に該当しないときには、3となり、その資産の所在地となります。

今までは、所得税の納税管理人を意識すればよかったのですが、出国税創設のおかげで、相続税・贈与税についてもこの辺の知識を使う場面が増えてきました。

参考記事:出国・非居住者が受けられる所得控除について 納税管理人との関係

参考記事:外国から確定申告!? 日本に残した留守宅の確定申告と納税管理人


◆◇今日のつぶやき◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

劇団新感線の舞台を見てきました。35周年記念公演ということで、2大スターの競演でした!笑った、笑った。 夏はエンタメが多くて忙しいです♪

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